Tuesday, August 27, 2013

台湾企業を取材することになり、10社すべてに同じ質問(なぜ台湾製品は安いのか)をぶつけてみた。答えは、台湾では他人と同じものを作らない、というビジネスマインドが強く働いているからだった。

当時日本は、A社がヒット商品を飛ばすと、B社も負けずに同じものを出してきた。このためいずれは価格競争に陥っていた。台湾は違う。A社がヒット商品を出せば、B社はその商品に欠かせない部品や、A社のヒット商品を同時に補完しながら使う製品などを開発した。決してA社と同じ製品は作らない。だから中小の企業同士が補完しあうサプライチェーンが出来上がり、個々の企業は大量生産できた。だから安い、と取材した10社が10社とも同じような答えを返してきたのである。

日本は韓国や台湾が安い製品を出してくると人件費が安いから、と見下すような見方をしてきた。実際、日本の半導体経営者に、なぜパソコン用の安いDRAMを作らないのかを聞いてみたが、安売り競争に巻き込まれたくない、という返事だった。今になって思うと、低コスト技術を持っていないため、高価なコストで縮こまっていくメインフレーム市場向け高価なDRAMを作っていただけにすぎなかった。

— 海外の視点で日本の半導体産業を見ると、見えてくる日本の特殊性 - セミコンポータル

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